2011年8月16日火曜日

Sneaker A La Carte : How about Deserts ?


このアーティクルは、当初「American Sports Style」で発表したが、「Monday Night Sports Club」(MNSC)で発表するのが適切と判断して、移動した。MNSCはマーケティングのプロファッショナルが意見を交換する研究会で、その活動を実践に活かすためにブログも立ち上げた。
8914日にかけて、American Sports Styleで発表した4つのグローバルスニーカーモデルは、日本の関連ビジネスに従事しているプロでも、ほとんどご存じなかった。いずれも日本ではほとんど紹介されなかったか、発表直後なので日本にほとんど情報が入っていないモデルだったからである。しかもどのモデルもアメリカ市場で現在売れているか、これから売れると評価の高いモデルばかりです。
ご紹介した情報は、アメリカのメディア、フットウエア・ブロガー、マーケティングのプロの評価をまとめています。我々は原則として、プロダクトの評価には主観を差し挟まない。そのほうが、見るものにとって自由な判断ができると思うからである。しかし、すべてアメリカでの評価なので、日本からみた評価もあった方が理解しやすい部分もある。そこで「Monday Night Sports Club」所属スタッフの評価も定期的に発表することにした。今回のモデルに対する我々の印象を以下にお知らせします。

Ponsul by Chaco

Ponsul by Chaco
シリーズ最初に登場したチャコのハイブリッドサンダル「Ponsul」は、おーっ、こういうテもあったか!と思わず深呼吸してしまった。サンダルで登場した久方ぶりのエポックメーキングなモデルだ。リバーサンダル系のブランドはこれまでキーンに押しまくられてきたが、今回はリベンジの可能性がある。チャコだけでなくテバもカムバックしているし、そのうえクロックスもついに戦線に復帰した。サンダルとクロッグ分野は三つどもえ、四つどもえの混戦になる可能性が高い。

Ransom x adidas

ランサムxアディダスのコラボレーションモデルは、日本のオリジナルス(店)でも時々見かける。2万円を超える価格設定になっているから、アディダスジャパンはほとんど売る気がないと見て良いだろう。カナダ、アメリカでは小売価格50100ドル前後で、売れゆき好調と評価されている。アーバンアウトフィッターズでも発売しているので、量的にもかなり供給しているはずだ。
コラボレーションは80年代にポピュラーになったSMUSpecial Make Up)とは全く違う新しい供給・R&DPromotionスタイルである。日本ではブランドメーカー、ストアの双方が「サプリメント・プロダクト」供給方式という認識をしているが、そういう前近代的な認識は早く捨てるべきである。
アディダスとコラボしたランサムはインディー系のコンテンポラリーブティック(日本ではSPA)だが、日本での知名度はまだそれほどでもない。しかし今回のコラボレーションで世界的な影響力を持つインディーストアに躍進した。

Star Player by Converse

Star Player by Converse
コンバースの「Star Player」は発表してから1年になるが、日本の商標権をコンバースジャパンが保有しているために、日本にはほとんど紹介されなかった。かつてChevron StarDr.JPro Learther)があまりにも脚光を浴びたため、「Star Player」はその陰で地味な役割に甘んじてきた。だからこそ、今回コンバースは総力を挙げて「Star Player」プロモーションを展開してきたのである。
USコンバースは2009年頃から積極的なR&D攻勢をかけているので、アメリカでは高い評価を受けている。コンバースジャパンのR&Dとプロモーションは日本市場独自の方針で行っているが、消費がグローバル化している時代には、もう少し柔軟なローカルマーケット戦略を創造すべきである。

The Chosen by Nike

Nike The Chosen Campaigne

ナイキの「The Chosen」キャンペーンは、“ヒヤーッ、ここまでやるか“というくらいリキ入ってるプロジェクトだ。プロモーションビデオにはポール・ロドリゲス(スケーター)、ダニー・キャス(スノーボーダー)、ジュリアン・ウイルソン(サーファー)、ローラ・エネヴァ(サーファー)達を含む総計25人のアクションアスリートを起用した。いずれもビッグネームばかりで、掛け値なしにアクションスポーツのオールスターチームである。さすが200億ドル(15,000億円)企業はやることが違う。しかもフィルムは全て夜間の撮影で、映像効果を十二分に意識した制作で、さらに世界中の著名なアクションスポーツスポットを移動しながら撮影している。花火打ち上げ光景も挿入されていたから、なんだなんだと思っていたら、74日(独立記念日)に全米のシネプレックスで公開したらしい。どうりで花火が必要だったわけだ。アメリカのアクション業界はほとんどギブアップ状態だが、ここまでやられると、ナイキがアクションスポーツのリーディングブランドになるのは時間の問題という気がしてきた。

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